平成30年7月、西日本豪雨災害で大きな被害が出た宇和島で
災害の教訓を活かし、「女性防災リーダー育成研修」が開催されています。
6月25日(日曜日)講座の一コマを担当させて頂くことになり、メンバーと一緒に宇和島の災害現場の視察を兼ねて研修旅行へ行きました。
前日の土曜日に、災害の大きかった吉田町エリアを地元の方にご案内頂きました。
豪雨災害の碑の横には、蜜柑の木が植えられていました。
吉田町図書館には、災害時の様子がパネルで展示されていました。
実際の災害のあった現場に立つと、背後には急傾斜の山、正面にはリアス式海岸の海が広がり
平地はわずか10%程度の集落が点在する町でした。
山が崩れ土砂で家が流され、海に投げ出されて亡くなった方がいたという現場でした。
途中にあった長いトンネルは土砂が埋まり通行できなくなり、孤立状態で3日間何もできなかったそうです。
吉田町230年の歴史のある愛媛みかん(温州みかん)発祥の地で、案内してくださった方も蜜柑農家の方でした。
丹精込めて育てた蜜柑の木が土砂に流され、再興までにはこれからまだ何年もの時間がかかることや
国の支援や補助だけではできない経済的な課題など、被災後のリアルな声を聞かせて頂きました。
土曜日は良いお天気で、外にいるととても暑くて汗ばむくらいでした。
「蜜柑ジュース飲んでみて!」と出していただいたのが、こちらのブラッドオレンジジュースでした。
これまで飲んだことのあるブラッドオレンジは、グレープフルーツのような苦みのあるものでしたが、
こちらのブラッドオレンジはまろやかで、蜜柑をまるごと飲んでいるような何とも言えない美味しさで
その場みんなお土産に買って帰りたい!と3種類の蜜柑ジュースを買い、即売会が始まりました。
なんと、吉田町は日本で初めてのイタリア原産のブラッドオレンジの産地なのだそうです。
その後は、九島(くしま)の廃校を利用したレストラン「島の思い出ピアの」でランチを頂きました。
小学校の音楽室をそのまま利用し、レコードやピアノ演奏が楽しめる地元の人たちの交流の場となっている素敵なお店です。
廃校で頂くお料理と思えないほどの品数と丁寧なおもてなしに感動です。
今回お招きいただきました、特定非営利活動法人うわじまグランマさんの事務所にお邪魔して、活動の経緯や現在の取り組みなどを御説明頂きました。
夜は地元の海の幸がたくさんのおもてなし料理で、この日一日で宇和島の産物を食べつくしたようでした。
宿泊は駅前のできたばかりのホテルで、温泉もあり、朝食も焼きたてパンが食べられる宇和島スーパーホテルです。キレイなお部屋と親切なスタッフさん、ドリンクサービスもあり大満足です。
翌日は、子ども食堂を視察させて頂きました。
この日のメニューは、ドライカレーとフルーツポンチ、各テーブルには蜜柑ジュースが置かれていました。
100人以上来る予定で、米を10升炊いたそうです。
高校生二人がごはんとカレーをよそって、子どもたちに渡してあげていました。
始まるまでの間の待ち時間には、防災士さんが「防災クイズ」をしていたり、楽しみながら自分たちの住む町について知り、防災の知識も身に就く良い取り組みだと思いました。
午後からがメインイベントの「女性防災リーダー育成研修」です。
一緒に東北視察に行った皆さまとの再会を喜びつつ、徳島での取り組みの紹介や
女性が意思決定過程へ入っていく重要性などについて、お話をさせて頂きました。
声を掛けて頂いた宇和島グランマの代表松島さんと副代表の折原さん。
幼馴染の同級生で、最高のコンビです。
講座担当後、帰路につき帰宅は夜8時。
長い道中でしたが、みんなで運転を交代しながら、にぎやかにおしゃべりしながらの楽しい視察旅行でした。