TFA2nd.2019  第2講目 開催報告

2019年9月28日(土) TFA2nd.02STEP 荒金雅子さんセミナーレポート

「自分に対する思い込みの枠を外し、可能性を最大化する
~ハッピーキャリア・ハッピーライフを手に入れよう~」
講師:株式会社クオリア 代表取締役 荒金雅子氏

【とくしまフューチャーアカデミー2nd・スタート】
「とくしまフューチャーアカデミー2nd.」8月24日にキックオフ。
これから6ヶ月間に渡り、女性のセカンドキャリアとして自己実現と社会貢献を目指し、リカレント教育の場を展開してまいります。
徳島県内における政策や方針決定過程への女性の参画機会の拡大を図るために多様なプログラムを提供し、女性の意識改革及び開発を推進していきます。講師陣は女性の能力開発、キャリア開発、組織開発・活性化の研究と実績を国内外において築かれているトップランナーの方をお招きします。

第2講は9月28日(土)に開催。
講義に先立ち、笠井誉子理事長より趣旨と注意事項について詳しく説明がありました。加えて現代社会において、女性が活躍の場を広げ確立するためには共に学び、深め合うリカレント教育の意義を含んだ激励の言葉を受け、いよいよスタートです。
今年の受講生は19名。多種多様な職業に携わっておられる方々です。
4~5人で構成したグループにて着席。受講生の皆さんの真剣な眼差し、意欲的な表情に会場の雰囲気は士気が高まり、引き締まっているようでした。

 

【自分の思い込み・枠を外す】
講師は株式会社クオリア代表取締役 荒金雅子氏です。
荒金先生はダイバーシティや女性活躍推進を軸に組織の活性化支援でご活躍、実績を重ねておられます。
今回の講義では「自分に対する思い込みの枠を外し、可能性を最大化する~ハッピーキャリア・ハッピーライフを手に入れよう~」のテーマでお話いただきました。荒金先生の講義によるインプット、受講生グループ・ワークショップによるアウトプットを交合に繰り返しながら、学びを深めていきました。

荒金先生は、最初に人生は限られた時間であること。この人生において、活き活きと活躍するためには自分の思い込み、内なる意識で起こる「枠組み」を外すことが重要であると話されました。例として以下の疑問をあげられ、講義は始まります。

・女性の中では社会的な成功というイメージがなかなか持てていないことが多いのではないだろうか?
・長い時間、働くことに価値があるのだろうか?
・経験を積まないと評価が得られないのだろうか?
・昇進、成功するためには自分を支援する環境が必要であるが、女性はネットワークを構築する力が弱いと見られがちである。

荒金先生の経験を含めた数々の事例を挙げて、女性がグローバルな社会や組織で活躍し、管理職への昇進を目指すために必要な力とは何か?と、問いかけられました。
それは、リーダーシップをとること。何をリードするのか?まず、自分をリードすることである。枠を外し、意志を持って、一歩前へ出る。自分から行動することで、人から共感を得て、支援者や応援者が現れて、協力してくれる仲間ができると話され、受講者は熱心にメモを取っていました。

【女性が陥りやすい7つのカベ】
一歩前へ出ようとする女性が陥る7つのカベについて解説。その中でも特にインポスター症候群にとらわれていませんか?との問いに対し、グループワークへと入っていきます。
インポスター症候群とは、自分の能力や実績を信じ切れず、過小評価してしまい、慎重になりすぎたり、失敗を恐れ消極的になったりすること。現代人の多くがこのような思いを抱え、生き辛くなり、自己肯定感がなかなか確立していないのではと思います。
グループワークでは、自己紹介も兼ねて、7つのカベやインポスター症候群について自分の内面について日頃感じていることをシェアしました。受講生の皆さんは、他の方の話しに耳を傾け、大きくうなずいたり、質問をしたりして、段々と打ち解けていく表情が見られるようになりました。

【エニアグラムで自己理解を深め、キャリアに活かす】
インポスター症候群をクリアーしていくためには、まず自分を知り、理解し、ありのままの自分を認めることが重要である。自己理解が深まり、自己成長へ繋がります。さらに他人を理解することで、自分や他人に対する理解、愛着、寬容が身につき、健全な人間関係を築いていける。そこで、自分を知る有力なツールとして、エニアグラムを紹介してくださいました。

エニアグラムとは、ギリシャ語の「エニア(数字の9)」を語源とする性格診断ツールで、その起源はギリシャ時代にあると言われています。人間の性格は9つのタイプのいずれかに属するという考えのもとに米国スタンフォード大学で、理論化・体系化されました。ビジネスの現場では、自己理解や相互理解、コミュニケーション、チーム力の向上など、様々な分野で活用されています。

受講者はエニアグラム診断シートを用い、自己診断をしました。荒金先生に1~9のエニアグラムタイプの特徴を詳しく解説していただいた後、タイプ別にグループ再編成を行い、ワークへ移行します。

①嬉しい言葉はどんな言葉?
②ストレスを感じる場面はどんな場面?

この2つの問いに対して、同じグループでひとりずつ、どんな言葉に、場面に自分のモチベーションが変動するのかをディスカッション。同じエニアグラムのタイプということもあり、どのグループも話し合いが弾んでいました。ワークを通じて、自分はどこに喜びを見出し、何に傷つくのかを深く掘り下げることができたようです。同じタイプのグループだからこそ、わかり合える、共感することが多くあり、和やかに自己理解が進んだ様子でした。

アウトプットした個々の回答をまとめ、全体へシェア。それを受けて、荒金先生はさらに別のタイプとの相関性を説明され、人はいろいろな要素を持っており、自分や相手のタイプの強みや傾向を見ていくと良い。エニアグラムを活用、探求をして、理解が深まれば、リスク管理や健全なマネジメントが可能になり、周囲へ良い影響を与えられるということを知る機会となりました。

 

【視点を変え、自分の良さを再確認する】
次は最初のグループに戻り、リフレーミングのワークを行いました。リフレーミングとは、自分のもつ枠組み(フレーム)を違う枠組みで捉え直してみること。
私たちは全ての物事をその人独自の視点(枠組み=フレーム)で見ています。自分に対する見方を変えると、気づかなかった自分の良さを再発見したり、全く違う視点、別の選択肢に気づきを得たりして、行動する勇気が出てくるということです。

ワークでは、自分の伸ばしたい長所と改善したい短所だと思うことをグループ内でシェア。
次は自分の欠点、短所だと思うことをシートに3つ記入するリフレーミング(短所置き換え)ワーク。
このシートを隣のグループへ回して、肯定的な視点から記入してもらいました。手元に返ってきた自分のシートを読んで、受講生の皆さんから感嘆の声が上がりました。自分の欠点、短所と思っていたことが、リフレーミングすることで長所に変わっているのです。例えば、「自信がない」⇒「謙虚」「優柔不断」⇒「優しい」と置き換えます。つまり、弱みが強みに変わるのです。受講生の皆さんも枠組み(フレーム)を変えると意味が変わるということに大きく頷き、納得された様子でした。

リフレーミングで物事を捉えられるようになると、自分に肯定的になれる、選択の幅が広がる、やる気と行動力が出てくる。全く違う世界が見えてきて、セルフマネジメントへの一歩が踏み出せるということを学びました。
リフレーミングの最大の目的は「かべ」と思っていたことは、実は「とびら」であったことに気づき、自ら主体的に動くことができるようになり、幸せな状態になっていくということだと会得しました。

【まとめ】
荒金先生は講義とグループワークを通して、大きな骨格として2つの視点を持つことの重要性を説いてくださいました。

①エニアグラムを活用して、周囲との健全な関係性を築いていく。
②リフレーミングで物事の見方の選択肢を広げ、行動力をアップすること

これらはセルフマネジメントへの一歩。自分をリードし、自己成長へ繋げられるものである。自分の居心地の良いシーンにずっと居続けていくことでは成長は望めない。これからの6ヶ月間のプログラムで快適空間からチャレンジ空間へ飛び出すために一歩進めてください。そして、ぜひ、本日の講義を活かしてほしいと受講生に熱いエールを贈ってくださり、充実した講義を終了しました。
荒金先生、受講生の皆さん、本当にありがとうございました。

2020年2月まで講義は続きます。毎講義後に振り返る時間、リフレクションも設けています。受講生の皆さんが学び深め、相互に分かち合えるリカレント教育の場を創造するためにスタッフも精一杯、ご支援してまいります。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

レポート;特定非営利活動法人 徳島の働く女性を元気にする会 廣澤

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