「生き方の新しい選択」開催報告①

徳島県男女共同参画事業 令和元年度フレアキャンパス企画委託事業で採択いただき、女性のエンパワーメントを目的とし目黒依子先生の講演と参加者によるワークショップを開催しました。

ことの始まりは、昨年徳島から15名でWAW!国際女性会議と共同開催されたW20に参加をしたことからでした。
徳島に戻って4月に参加者による情報共有会を開催し、その後5月にW20のフォローアップイベントを開催しました。
この時、徳島県内から100名以上の方にご参加いただき、大いに盛り上がりました。

この灯を消さないようにつないでいきたい思い、W20事務局長の塚原さんや荒金さんにご相談し、共同代表の目黒先生にお越しいただけるようにアドバイスを頂きました。
その時から8ヶ月、待ちに待った念願の目黒先生の初講演が実現しました。

 

今回は、女性の社会参画を促進する人材育成事業「とくしまフューチャーアカデミー2nd. 」の受講生の方の活動の実践編として、運営に関わって頂きサポートして頂きました。
それぞれに、司会・進行担当、準備・受付・案内、講師アテンド、など希望する担当でお願いしました。

イベント開始前には、目黒先生を囲んで、受講生メンバー・高校生・NPOメンバーでの顔合わせを兼ねたランチMTGを行いました。

お弁当は、NPOメンバーの藤田梢さんが県西部の世界農業遺産に認定された美味しいお野菜をふんだんに使って、朝早くから作ってきてくれました。
カフェ&カルチャークレヨンさんの美味しいお弁当です。

 

開催日時:2020年1月26日(日)13時〜16時
開催場所:フレアとくしま研修室1・2
テーマ:女性のエンパワーメント
誰もが自分の人生を自らの意思で選択し、実行する「生き方の新しい選択」

目黒先生のご講演と城北高校の学生のプレゼンが2チーム、フランスの結婚制度についてのレクチャーの後、参加者によるワークショップと提言、その後再び目黒先生によるフィードバックという濃い内容の3時間です。

司会進行は、TFA2nd.受講生の太田恵理子さんです。
初めての司会経験とのことでしたが、自然な声のトーンが会場を明るくしてくれました。

目黒先生のご講義は、「一人ひとりが人生の主役:デジタル化する未来のため」というタイトルで資料をご準備くださり、まず、ご自身の人生に影響を与えた出来事BEST10あげて、個人の人生は生まれた時代・社会と同調することについてお話しをしてくださいました。
大変印象的であったのは、目黒先生のお父様の考え方と言葉でした。

高校生のときに、NYヘラルドトリビューン紙世界ユース・フォーラムの日本代表に選ばれたことで、3ヶ月間NY近郊の高校生の家庭に滞在したことが、その後のアメリカの大学へ進学することになった大変大きな転機であったと思いますが、それを勧めてくれたのはお父様だったそうです。

小さい頃から「女は経済的に男に頼ると不幸になる」と言われ育ったことや、アメリカへ行くことについても、手放したくて行かすのではなく、自立した一人の人間として生きるための力をつけるためであると話されたそうです。

この時代には、女性に教育は必要ないとする考え方をする男性が大変多かったのではないかと思います。
昨年のWAW!国際女性会議で初来日されたマララさんのお父様のお話しが重なり、家庭教育におけるジェンダー意識がいかに重要であるかを改めて感じずにはいられませんでした。

その後、目黒先生は留学中にアメリカの大学の学長から声がかかり、高校を卒業後その大学に入学を希望するのであれば、奨学金を出してくあげると言われ、即「行きます!」とお返事されたそうです。
実際、高校3年生になったときには、その大学から案内が来て、高知県から初めてアメリカの大学へ進学することになり、これが目黒先生の大きな原点となったようです。

その後、日本に帰国し一応就職はしたものの、当時の日本社会の中で適応するのは難しく、この時3つの選択肢を考えられたそうです。
1、日本社会に適応するように生きていく
2、アメリカに帰る
3、日本を変える!

そして、3番目を選び、そこから「ジェンダー革命家」としてのエンドレスの活動が始まったそうです。

そこから目黒先生の行動は、まさに今のリカレント、学び直しと同じように、大学院への進学を決意されたそうです。
社会に影響を与えることのできる研究者として、先生の新たなスタートでした。

しかし、そこから何十年も経った今、日本は世界経済フォーラムが発表するジェンダーギャップ指数ランキンキングは、年々順位を下げて過去最低を記録し、先進国ではダントツの最下位まで落ちてしまいました。

その根底には何があるのか。
「無意識女卑社会日本」と表現されていましたが、男性の2.6倍という女性の無償労働負担による、職業参加からの排除は大きな要因であり、それを変えないと日本はダメになる。
この無償労働のケアワークの再分配についての解決は、パートナーである男性の理解と協力が重要であると話されていました。

また、仕事の未来/未来の働き方・暮らし方のパートでは、将来消える確率が高い職種の推計では、日本で雇用者が多い職種が消えることになりことと日本はデジタル化が遅れていることをご指摘されていました。
確かに、早すぎる中国のスピードに比べ、遅すぎる日本の対応や変化は多くの人が感じていると思います。

「女性が経済力を持つことなく、国の経済発展は不可能は、世界の常識」
「変革する時代に男女格差を無くし、積極的に切り拓こう!自分の未来を」
「自分たちがやらないと何も変わらない」と力強いメッセージを送って頂きました。

 

時間を忘れて、聞き入りました。
もっともっと目黒先生のお話をお聞きしたいと思うほど、本質的な課題とそれに対する見識の高さから投げられるメッセージが心地良いほどにシャープです。

続いて、高校生の2チームからの発表に移ります。

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